2009年7月 3日

【道具】一生モノの道具

ずっと大切に使っていきたいもの。
おそらく誰にでもあるものだと思います。

ある人にとっては洋服であったり、
ある人にとっては家具であったり。

私にとってのそれは、有次(ありつぐ)というお店の庖丁です。
※有次では包丁ではなく庖丁と表記します

「有次」は、京都の台所・錦市場にある、
永禄3年(1560年)創業の老舗庖丁屋さん。

庖丁屋といっても、台所用品を幅広く扱い、
鍋、抜き型、おたま、おろし金など、あらゆる金物がずらりと並んでいます。

扱うものは、どれをとっても手仕事の技が冴え渡る道具ばかり。
おろし金ひとつとっても、職人がひとつひとつ手仕事で目立てています。
もちろん量販店などで買うより、いいお値段。
ミニサイズで2100円、大なら約6000円。
桜の形をした抜き型も、ひとつで1260円します。

庖丁屋という肩書きにふさわしく、
扱う庖丁は50種類を超え、老舗料亭の板前さんなどにも愛用されています。
もちろん一般のお客さんも多く、
購入の際にはお店の方が手入れ方法を丁寧に教えてくれます。
修理などのアフターケアも万全で、
「いいものを長く」というお店の信条が伝わってきます。

お店のホームページには、以下のような文言が書かれています。
 
 一人の職人が1日に作り出す庖丁の数は、多くても十数本。
 決して効率的ではありません。
 しかし、人間が「気」を入れてつくった道具は、使いやすく長持ちします。

お値段は1万超くらいで、手が届かないほど高価なわけではないのですが、
なぜだかまだ購入することができません。

そう。冒頭で「ずっと大切に使っていきたい」と言っておきながら、
私はまだ有次の庖丁を手に入れていないのです。

…なぜか?自問自答してみました。

それはきっと、有次の庖丁に見合うだけの人間に、
自分がまだなれていないと感じるから。

「もっと仕事をこなせるようになってからね」
「もう少し料理がうまくなったらね」と、
庖丁に問われているような気がするんです。
まだ手に入れてはいませんが、私を高めてくれるモノです。

一生モノの道具。
こうやって考えていると、他の方にとってのそういったものが気になります。
作家や料理人、企業の社長さんなどは、
どういった“一生モノの道具”を使っているのでしょうか?
そんな本があってもおもしろいかもしれませんね。


ちなみに。
有次のものは、東京では日本橋タカシマヤ7階で取り扱いをしています。
興味のある方は、ぜひどうぞ。

担当はさみこでした。
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投稿者 さみこ : 12:00