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2009年4月17日

【アート】心のオアシス、備前焼

こんにちは。
もうすっかり日差しも温かく、というよりむしろ暑いくらいで、地球の行く末が心配な今日このごろですが、今回は「備前焼」のお話をしたいと思います。

私の出身地、岡山の名物といえば、桃、マスカット、ままかり、きびだんごなどが有名ですが、「備前焼」もその一つ。岡山県備前市を産地とし、古くは須恵器時代から作られていた、日本でもっとも古い焼き物として知られています。

その備前焼の作家として地元・岡山で活動している森大雅さんの個展が、先日駒沢のギャラリーで開かれました。大雅さんの友人だという友人に誘われて、遊びに行くことにしたのですが、中に入ると、こんなふうに所狭しと並べられた備前焼がズラリ。

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「大雅くんの作品は、ベーシックな備前焼からいうとちょっと異端なんだけど…」と友人。まだ30代半ばの若い作家さんなので、固定概念にとらわれない前衛的なところもあるようです。

岡山名物、桃を象った器。こういう遊び心も、そう評される由縁かも?
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あいにくご本人は不在だったのですが、お母様がいらっしゃったのでいろいろお話させていただきました。

ここで、備前焼ひとくちメモ。

●釉薬(うわぐすり)を一切使わない。
陶器というと、焼き上がった後に絵付けを行ったりしますが、備前焼ではそういった装飾を施しません。だから、出来上がりの紋様もすべて窯の中で起こる自然変化がもたらすもの。炭をかぶると黒味が強くなったり、藁がかかっていた部分が線として現れたり…。窯を開けるまで、仕上がりがわからないところがおもしろみであり、怖さでもあるんです。

●耐久性が高い
1300℃の高温で2週間(!)かけて焼き上げるので、耐久性がとても高いんです。かつては、お坊さんが修行に出る際に備前焼のお茶碗を持っていったそう。そして、10年間使い続けるうちに表面が磨かれてぴかぴかになったお茶碗を、修行が終わるときに持ち帰るんです。使い込むうちに光沢が出て、最初のざらざらした質感とはまた違った趣が楽しめるとか。

使っていくうちに違った魅力が表れる…、この“食器を育てる”という感覚、私たちにはあまりないですよね。だけど、こういう気持ちがものを大切にすることに繋がり、しいては“丁寧な暮らし”に行き着くんじゃないかな…と考えてみたりして。

あとは、陶土に遠赤外線が含まれているので、水が腐らないという特質もあるそう。ビールの泡も細かく立つので、お酒好きな方への贈り物にビアマグなんかもいいかも。なんだか粋な手みやげって感じですよね。

知れば知るほど、奥が深い備前焼。正直、専門知識などまったく持ち合わせていなかったので、なるほどなぁと感心させられることづくめ。そしてやっぱり、この素朴さに癒されました。一つひとつ職人さんの手で作られた温かみがあって、眺めているだけでも心が落ち着くんです。

あ~、これ、会社にひとつ置いておきたい…と切実に思った私。仕事が忙しくて気がせってるときでも、備前焼のマグカップでコーヒーを飲めばなんだか癒し効果が倍増しそうだし、このどっしりとしたビジュアルも頼もしいし…。「まぁまぁ、落ち着きなよ。焦っても焦らなくても一緒だよ」って語りかけてくれそう。せわしい現代を生き抜く人に、心のオアシス、備前焼! 備前市さん、そういうキャンペーン打ってみませんか?

大雅さんの個展はもう終了してしまいましたが、秋頃に今度は銀座松屋で開かれるそうです。その際はぜひ、ご本人とお会いして、いろいろお話を聞けたらいいなぁと思います。

担当はジーマでした。
ジーマ

投稿者 ジーマ : 2009年4月17日 12:49